2015年8月25日火曜日

五輪エンブレム盗用事件について

佐野氏の作品が盗用だったのでは!?
という問題が未だに解決してしないままモヤモヤしています。


実は以前同じような事件がありました。
元・モーニング娘。の安倍なつみさんが
自身のエッセー集に、
他者の作品を自分のものとして載せたというものです。
事務所が盗作があったと認めたのは、
安倍なつみの写真集「ナッチ」(ワニブックス)、
エッセー集「陽(ひか)光(り)」(竹書房)、
「ALBUM―1998‐2003 Gum Comics」(ワニブックス)の3冊の出版物と、
ラジオの作詩コーナーで「自作の詩」として紹介した詩数編でした。


ただ、この時の安倍なつみさんの謝罪が良かった点は、
正直に盗用を認めた点でした。
「いつどこで見たのかは忘れていましたが、
いつの間にか自分の中から湧いて出てきた
オリジナルのものと思い込み載せてしまいました。」


今回のエンブレムは誰がどう見ても似ています。
ただ、問題は「佐野さん自身が盗用を認めない」という点です。
その結果、他の作品の疑いまで掘り起こされてしまった。
ここまで来ると参考にした程度では済まされない作品点数。


私は今回の作品の盗用疑惑に対して、
佐野さんも同じように謝っていたら良かったと思うんです。
佐野さんだってデザイナーとして勉強したはず。
それこそ無数の作品のデザインを見てきたはずです。
もしかしたら、もう記憶になくても、
どこかで見た記憶が残っていたかも知れません。


そもそも、デザインだけではなく、
音楽だって画だって、
完全なオリジナルなど不可能な状態にあります。
もうどこかの誰かが似たものを必ずつくっているはずです。
それが偶然似ることもあるのでしょうが、
今回の作品は確実に記憶の断片を繋ぎ合わせてつくったものに違いありません。
ただ、それ自体は問題にはならないと思います。


問題が悪化したのは、
すみませんと謝って撤回しなかったこと。


ここまで酷似したデザインが、
自分の作成前に存在していたのですから、この疑惑については佐野氏が取り下げるのが筋で、
「申し訳ありません、
もう一度新しいデザインを作成しますので、
そのデザインでご判断下さい」
と言えば良かったのです。
意図してかせずか、
ここまで似ていては疑われても仕方ないからです。


今回の五輪デザインに関して、
佐野氏は五輪全体の収益の4〜5%を
報酬として受け取ることになっていたそうです。
その額200億円(推定)。
五輪エンブレムの作者というブランド、
200億円という報酬、
そのチャンスを失いたくないと思うのは人間として当然です。
ただ、しがみつくことで問題が悪化し
余計に自分を追いつめてチャンスから遠ざけていく。
もどかしい事件です。


テリー伊藤さんのおしゃっていることは最もです。
もう完全オリジナルなど誰にもつくれません。
つくれないと決めつけて作品をつくるのは
信念に反すると思われるかも知れませんが、
現実問題どこかの誰かの作品に似た部分を
持っている可能性がゼロになることは考えられません。
だから、誰にも、どんな分野の芸術家にも、
こういったリスクはあると思うのです。


今回の問題で明らかになった事情もありますし、
水面下で行われていた不正が
暴かれたことについては良かったでしょうが、
本当に今回の五輪は曰く付きですね(汗)

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