2015年4月27日月曜日

「塾に行く人=バカ」の意味

強烈な言い方をしてすみません。
でも私は正直そう思います。
これが10以上の塾に関わってきた私の意見です。


さて、誤解がないように2つの前提条件を提示します。
全ての人を十把一絡げにして
「塾に行くのはバカだ!」なんていう
爆論を繰り広げたいわけではないのです。


前提条件
①中学生~高卒(浪人生)
②成績を上げたい、という理由で塾に行く人


この中で一番残念なのは
浪人生で予備校に行っている人です。
一番バカだと思います。


では説明します。


まず塾に行く人には2種類います。
目的が明確な人と
目的が不明確な人です。


どんな目的を持っているにせよ、
塾に行くのは詰まるところ成績を伸ばすためでしょう。


しかし、塾を成績を伸ばすための場所だと思っていること自体が
実は大きな誤解です。
塾という場所のことがまるで分かっていません。


あそこに勉強のプロがいると思っていること自体
ナンセンスと言っておきます。


あそこにいるのは素人のおじさんやおばさんです。
近所のよく知らないおじさん、おばさんに
預かってもらっているのと同じです。


講師になるのにはもちろん教員免許も必要ありません。
持っているとしても
勉強に関しては何のアドバンテージもありません。


若い人がいるとしても素人ですし、
アルバイトの人は大学生です。
普段ロクに授業も受けていないような学生もいますし、
そんな彼らが小遣い稼ぎのためにやっているアルバイトです。


中には優秀な先生もいるでしょうが、
ほとんどは素人です。


塾に行くとほとんどの場合
・カリキュラム
・授業
・オリジナルテキスト
が決められて、あてがわれます。


オリジナルテキストと言っても、
テキスト業者が卸している中から選んだものです。


中学生、高校生というざっくりした括りで作られたもので、
地域に根差したものも少なく
勿論あなたの志望校には関係なく作成されています。


そんな風にあらゆる要素で束縛されて
何をやらされるか。


暗記です。


学校と同じことを、
復習とか先取りとか言いながら
繰り返しているだけです。


そしてほとんどの場合
学校とは全く相いれずに動きます。
つまりダブルスクールの感覚です。


学校に振り回され、塾に振り回され、
子どもたちは無思考なまま
ガツガツと知識を詰め込まれます。


点数とか偏差値という数値で評価されて、
成績というもので進路を輪切りにされていきます。


子どもたちは何も考えずとも、
言われた通りにやっていれば
自然と知識が増えて成績が伸びていきます。
素晴らしいシステムです。


私はこれを「家畜勉強法」と呼んでいます。
ほれ食え、ほれ食え。
そんな風にがんじがらめにして子どもたちに知識を喰わせます。


失礼な言い方ですみません。
そんな風に言わないと気付かないと思いまして。


そして、結果考える力のない子どもたちは
大学では受験から解放されて遊び呆けて、
就活する時になって
「あ~俺にはバイトとサークル以外に主張できる強みが無ぇ~」
と言い出すわけです。


だから何年も勉強しても英語を話せず、
世界一勤勉と言われても学力が低く、
日本タイタニック号と言われてもなお海外に行きたくないという
子どもたちを育ててしまうのです。


塾は今、日本に5万教室あります。
コンビニくらいある。
それで一体何が変わりましたか?


ここ30年で変わったのは
塾業界の業界地図くらいでしょう。


最も残念なのは浪人生です。
せっかく学校という束縛から解放されたのに、
また予備校に縛られに行くという。


かく言う私も行きましたが、
何も考えなくて楽だな~くらいでした。
でも恐くなって最後は辞めました。


知識詰め込んで頭良くなった気になるかも知れませんが、
それで伸びているのは学力ではなく得点力です。


今日は80点!
お、90点になった!


それは学力ではありません。
得点力です。


そして社会が求めているのは学力です。
考える力です。
暗記力、記憶力ではありません。
それはもうコンピュータの役目です。


しかし、待ったなしの教育改革という大号令が出されても、
塾に行く人は一向に減りそうにありません。


もちろん、塾を活用して自分の武器にしている人もいます。
でもほんの一部です。
その一部を持ちだして「ほら、『塾に行く=バカ』は成り立ちませーん」と言っても、
それは数学の論理と集合の世界くらいで、
まぁ、別に本人がそう思うのなら全然良いんですけど、
ん~どうなんだろう、この流れ??って思うわけです。


なぜ今教育改革が決まったのか。
そのことの意味に気付けた方は
きっと今から違う動きをしているはずです。


もっと以前から動いている人たちが
成績的な意味ではなしに
結果今の上位に残っているとは思うのですが、
まだまだ間に合うと思います。


言っておきますが、
勉強が全てだなんてこれっぽっちも思っていません。
ただ、勉強という土俵で戦うことを選んだのなら、
戦い方を間違えないようにしてほしいなと願います。


それにしても今日も熊本はいい天気です。

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