2016年5月22日日曜日

教育者たちはなぜ「あり得ない教育改革」をやめられないのか


最近ある教育者の方とFBを通して意見交換をする機会がありました。
私が以前公開したブログの記事「教育業界の抱える大いなるすれ違い」を取り上げて下さり、数点のご指摘を下さったのです。

このやり取りの中で気になることがあったので、ここで改めて検証してみようと思います。

まず、私の基本的なスタンスは「現在進められている教育改革は機能しない(期待通りの結果を出せない)」というものです。
その理由は「勉強とはなんぞや」という点を明確にすることなく、教授法の工夫に偏った追求を続けているからです。

教育改革とは、言うなれば勉強事情の改革に他なりません。
大学受験制度との接続をより現実社会にマッチした形にするための変革なので、それは要するに勉強に関する状況改善なのです。
しかし、教育改革を進める当の教育者たちは「勉強とはなんぞや」という点に関する議論を放置したまま、授業方法の改革に勤しんでいます。
今回意見交換させていただいた方も、「教授法を色々試すことで勉強の目的を改めて考えることになるのでは!?」とおっしゃっていたのですが、要するに教育改革はこのような「目的なき手段」によって成されようとしているのです。

子どもたちの勉強事情の変革のための改革事業のはずなのに、誰も勉強の本質を追求していない。
むしろそれを認識した上で、手段をあれこれと考えているわけです。
これがどんな状況かと言えば、それはまるでゴールを決めずにマラソンコースを創ろうとしているようなものです。
どこに行き着くと言うのでしょうか。

そもそも、目的がないのに手段など考えられるわけがありません。
どこに行くかを決めるから、そこに行くためのルートの検証が可能なのであって、その逆はあり得ないのです。
しかし、そのあり得ないことをやろうとしています。

私がよく引用する話に「レンガ積み」の話があります。

ある人が黙々とレンガを積んでいるところに遭遇するとします。
あなたはこう聞くはずです。
「そのレンガで何を作っているの?」
もしその人が「いや〜分からないんです、私は何を作っているんでしょう」と答えるなら、ちょっと心配になりますよね。
それが正に、勉強が苦手な子どもたちの状況であり、今の教育改革の実態なのです。

教育者の方々は、なぜこんな改革を進められるのか。
それは勉強の目的を自分たちが絞り込むことを良しとしないという教育観に原因があります。
それが全ての元凶なのです。

勉強という仕組みの根底は、国が子どもたちに課す国家的事業です。
ということは、そこには国家ビジョンがあって然るべきで、こんな子供達を育成したいという教育ビジョンももちろん含まれていなければなりません。
しかし実際には明確な教育ビジョンがなく、あれもこれものモザイク壁画になっています。

そうです。
もともとの原因は「文部科学省に明確なビジョンがない」ことにあります。
英語もやりたい、プログラミングもやりたい、コミュニケーション能力も欲しい、考える力もつけたい、学び合いも大事。。。。
こんな状況では何もないのと同じですよね。
そして、文部科学省を盲信するしかない教育者たちもまた、それ以上のビジョンを持てずにいます。
だから「目的なき手段」に陥るしかないわけです。

では、この問題を解決するにはどうすればいいのでしょうか。

私はそこに独自の解決方法を提示し、自身の会社で実施することにしました。
成績保証(全額返金制度)を付けて、3ヶ月で確実に成績を伸ばすプランを子どもたちに提供するサービスです。
そこには明確な目的意識と、その目的を達成することにのみフォーカスすることでやるべきことが具体化されるというプロセスを通した、結果を出すためのシステムがあります。
「何をどうしたらいいか分からない」
「勉強のやり方が分からない」
「頑張っているのに成績が伸びない」
そんなあらゆる悩みを解消することが私の全てなのです。

これを真の教育改革だと言う気はないけれど、もし教育者の方々が私と同じ思いで取り組んでくれるのなら、きっと全く違う結果になることでしょう。
おこがましいこと言っているのは承知ですが、本気でそう思います。

子どもたちの未来は国の未来です。
教育改革が本質的な意味で子どもたちを救う一助になることを、切に願って今回のブログを終わります。
目的なき手段に先はありません。
是非、考えるきっかけにしていただきたいです。

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