2014年9月23日火曜日

教育劣化は日本経済の大問題だ!



先日購入した『東洋経済』の題目は「教育」でした。
すごく気になるテーマでしたが、
読んでみると、内容的には
多くは以前から問題視されていたことでした。


私が言いたいのは「真新しい問題ではなかった」という
読後の残念感ではなく、
以前から問題視されていながら解決に至っていない
という点にあります。


現在、武雄市図書館で有名な佐賀県では
国内に先駆けて塾と学校との連携体制がスタートしています。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140417/edc14041719080008-n1.htm


学校は勉強だけをする機関ではなく
あくまで「教育機関」ですが、
学力の低下にブレーキをかけるには
もう民間との連携は欠かせないものと思います。


ここで、私が思うのは、
そもそも問題がなぜ生じるのかということです。


日本の教育は「義務教育」ですよね。
義務と言うからには
何か明確な教育方針があって然るべきです。
国も、以前から問題視していた割には
教育基本法の文言の改訂ばかりで、
実質的な解決には着手しませんでした。


例えば1873年に新政府設立後の方針で
富国強兵の下、学制が発布されました。


この時は教育方針は明確でした。
国を豊かにするために、まず外国に追い付こう。


また、1894年の日清戦争、1904年の日露戦争と勝ち進み、
1914年の第一次世界大戦では戦争に巻き込まれることなく
輸出で儲けました。
ノリに乗っていたわけです。


だから、
第二次世界大戦の前から戦時中にかけての教育方針は
国のために命を賭して戦う若者の輩出でした。
「負ける」ことに無頓着になっていた、と言うと
少し乱暴な表現になりますが、
国としての自信に充ち溢れていたでしょう。


その後の話は有名です。


敗戦した日本の戦後教育はGHQによって指揮され、
日本国憲法に伴い教育基本法も含めて
アメリカ軍の管理下で作成されました。


WGIP(War Guilt Information Program)が実施され、
日本は完全に牙を抜かれたのです。


ただ、教育方針はまたも明確でした。
戦後復興です。


焼け野原となった日本で高度経済成長を実現し、
GDP(国内総生産)で世界第二位にまで復活させたのは、
戦後教育を受けた日本人です。


こうして、様々な局面を経験しつつも、
その都度明確な教育ビジョンを持っていたはずの日本は、
今なぜか迷走しています。
GDPで世界第二位に上り詰め、
発展途上国から先進国となったことで満たされた結果、
その次に目指すべきビジョンを見失ってしまったのです。


受験で言うところの
「燃え尽き症候群」のような症状だと思います。
そこから「失われた20年」と呼ばれる時期になります。


時代の変化が速すぎて、
現在の日本は時代遅れと称されるようになりました。
世界のどの国もまだ経験したことのない少子超高齢化社会化。
ノーボーダーのグローバル社会の到来による
英語の必修低年齢化。
そして超高度のIT化。


様々な不可避な変革に対し、
その変革に耐えうる教育ビジョンが
今の日本には欠けているようです。
教育の劣化と言うよりも、
教育の停滞化と言えるでしょう。


ニーズばかりが膨れあがり、
子どもたち“以外”の状況が目まぐるしく変化していく中で、
そのしわ寄せが学校に押し付けられています。


全て政府が決める
中央集権という一極集中トップダウン体制も
いよいよ悲鳴を上げ始めています。
文部科学省主導の教育改革を待っている間に、
もう次の時代がそこまで迫っているのです。


私たちにも、
そろそろ決断の時期が迫っているのかも知れません。



熊本の塾『ブレイクスルー・アカデミー』



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