2014年7月21日月曜日

キミは何型??九州大学の研究結果は本当??



今回面白い記事を見つけました。


九州大の縄田健悟講師(社会心理学)が、
血液型と性格の関連性に科学的根拠はない
とする統計学的な解析結果を発表したのです。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140719-OYT1T50087.html


こちらが「血液型と性格の無関連性」のレポート。
http://www.psych.or.jp/publication/journal_pdf/8502/8502_05.pdf


血液型に関しては信じる信じないで賛否両論あるネタゆえに、
ちょっと今回は食いついてみました。


何より、血液型を信じない人たちにとっては、
血液型を信じる人たちの言動がものすっごく気に障るようで、
かなりデリケートな話題ということもあります。


ただ、こうしたデリケートな問題や
賛否両論分かれるようなネタは、
思考よりも感情を揺さぶるだけに
盲目的になりやすいのが常です。


たとえば、今回の血液型のネタであれば、
おそらく血液型診断を信じていなかった人たちにとっては
吉報なはずです。
「ほら見たことか」となるでしょう。


しかし、私自身は今回の九州大学の研究結果には
正直懐疑的です。
その理由をお話していきます。


まず、前提として、私は血液型により
性格に差が出るという点には
ポジティブな見方をしています。
つまり、多少信じているということです。


もちろん、信じているということと、
血液型だけで性格を推し測って
相手を決めつけるような使い方をするかどうかとは
別の話ですよ?(笑)


それで、今回の九州大学はどんな調査をしたかというと、
言うなればアンケート調査です。
ペーパー上の項目へのチェックのデータを集計したわけです。


さて、ここで皆さんがどうこの分析手法を見るか。
本当にアンケート調査で
「血液型と性格の相関はない」と言えてしまうのでしょうか?


記事を見ていただけるとお分かりになる通り、
今回九州大学が使用したデータは
「意識調査」のアンケート結果でした。
日常生活の好き嫌いを尋ねたものだそうです。


ただ、意識調査とは書いてありますが、
それがアンケートである以上、
これは「考え方」の調査になるはずです。


「考え方」と性格とは決してイコールではありません。
本当に根拠として挙げるなら
自由回答の項目も多く付けるべきでしょう。
何よりレポートがしょぼい(汗)↑上のデータ参照


もちろん、これがレポートの全てではないと思いますが^^;


ただ、選択肢から選ぶだけのアンケート調査が、
性格を反映しているとは私には思えません。
つまりデータ不足と考えられるわけです。


考えてみて下さい。


なぜ血液型診断がここまで日本で流行ってしまったのか。


もし血液型診断の結果が自分の感覚と全く違っていたら、
こんなに多くの人が信じるわけがありません。


逆に言えば、それだけ多くの人が
「そう言われてみればそうかも」と感じていたということです。


私も経験上、血液型と本人の性格を照らし合わせてみたら
「あ~やっぱり(汗)」と思うこともあります。


血液型診断による”仮説”と、
相手に対する印象がリンクした経験が多い。
それが多くの人が抱く感覚だったのではないでしょうか。


だからどうという話ではありません。
でも、科学的な証明が必要かどうか、という点もあります。
感覚的にそうならそうなのです。


これは余談ですが、
科学的証明が不要な例として最も顕著なのは
やはり宗教ですよね。
証明できなくても神はいると信じる者の集合です。


キリスト教だけでも十数億人います。


技術的には画素数が多い写真が撮れるカメラの方が
確かに高性能ですが、
700万画素以上の画質の違いを
人間の眼自体が感知できないという限界もあります。


高級ワインと安物ワインの味の違いも
明確に判別できないのが人間です。


さて、話を戻しましょう。


「血液型が違う」というのは事実ですし、
違うということは
血液そのものの性質やら何やらが確実に違うはずです。
血液は全身を流れ脳を潤している。
脳を動かす重要なファクターである以上、
脳に何かしらの影響を与えていると考える方が妥当です。
脳が人間を動かし支配する司令塔なら、
性格そのものも少なからず影響されているでしょう。


もちろん企業が採用過程でどう血液型データを使うのか、
それはまた別問題です。


有用なデータとして採用するかどうかは
企業サイドの自由です。
それはある種受験者全員に適用されるなら、
平等な手段とも考えられるでしょう。


血液型を採用基準にどの程度盛り込んでいるのか。
もし採用基準に入れていること自体をおかしいと思うなら、
その会社を自分が辞退すればいいだけの話です。


また話が逸れましたね(汗)
戻します。


今回重要なことは、
血液型と性格が相関しているかどうかというより、
今回の九州大学の研究の仕方が
妥当なものだったかどうかという点です。


「九州大学が」「東大が」「ハーバード大学が」
「名誉教授が」「あの人が」


こういうレッテルの向こう側。
実際に何をどうやってしたのか。


本当に今回のそのやり方で、
その結論を言えるのか?


この点が重要なのです。


すると、「血液型が性格と相関する」こと自体の証明が
学術上不足していることもそうですが、
実はそれと同じ理由で
「相関していない」と言うには
今回の調査では不十分だと考えられるわけです。


ここ最近、セクハラやじや号泣議員、
中国や韓国の動向や集団的自衛権など、
論争を巻き起こすネタが非常に多い気がします。


しかし、正直なところ、
その多くの論が感情論に聞こえてしまう。


私はこう思う。
いや、こう思いたい!


そうなると人はもう動きません。
自分の考え方とは違う考え方を受け入れられなくなっていく。
そして反論や批判にイラついてしまう。


「何かを信じる」とは時に視野や思考を縛りつけて、
この広大な世界を
狭い自分だけの世間に閉じ込めてしまうものです。
そして結果的に同じ意見の者同士で仲良くなり、
異なる意見に対して否定的になる。


もちろん、かく言う私もそうです。
「何かを信じることほど危険なことはない。
 常にどこかに懐疑的な自分を保つべきだ。」
と”信じている”からです。


別の言い方をすれば
「自分こそが正しい」と思ってしまってるかも知れません。


ここまで来るともう禅問答ですね(笑)


ただ、自分の発想や価値観を広く持とうと心がけることで、
結構柔軟な思考ができるようになっています。


一歩引いた自分から物事を見る。


純粋に見る。


平等に見る。


主観なく見る。


表現は自由です。


ただ、自分の感覚に乗せずに論理的に考えること。
結論付けるに足るデータを然るべき方法で集めることです。


都市伝説のハローバイバイではないけれど、
最終的には
「信じるか信じないかはあなた次第です」ってことですね(笑)


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