『現実を直視することは、事態が深刻なほど辛いものです。そのため「このままでは必ず破綻しますよ」という現実的な意見よりも、来年の選挙で勝つことしか頭に浮かばない政治家が発するどうしようもなくいいかげんな楽観主義に基づいた意見の方が尊重される。対策を打ち出す時期が先延ばしにされることから、選択肢も助かるチャンスも減る一方です。』
大前研一
罵声を浴びながら働き、やがて心を病む。鬱(うつ)病となり休職しようとすると、即日解雇を言い渡される。違法な長時間労働などで若者を使いつぶす「ブラック企業」。ブラック企業とは、主にIT業界の劣悪な労働環境を指す言葉として使われていたが、今や外食、介護、保育などさまざまな業界にはびこるようになった。過剰労働で心身を病んだ若者は、不安定なアルバイトや、生活保護費の受給に頼らざるを得なくなるという「負のサイクル」も回りはじめている。そして最悪、過労死や自殺に追い込まれたケースもある。若者を取り巻く雇用環境の改善は急務だ。官民も連携して一刻も早い「ブラック企業包囲網」を敷く必要がある。
厚生労働省は昨年から、全国一斉で無料の電話相談を受け付けたり、インターネット上の専門サイトや、セミナーを通してパワハラの予防を呼びかけたりといったブラック企業への対策を加速させている。
各地の労働基準監督署では昨年9月以降、従業員などからの苦情や通報を端緒に、離職率が極端に高く、ブラック企業と疑われる約5千社を対象に集中的に指導監督を実施。来年度には無料の電話相談を民間に委託する形で、夜間や休日にも拡充する方針だ。
さらに、東京、名古屋、大阪にある「わかものハローワーク」では来年度、離職しようか悩む若者の相談に職員が応じる専門窓口を常設する予定。「在職してても相談できる場所を作ることで、若者を使い捨てにするような会社への対応はもちろん、若者がささいなことで安易に会社を辞めるのを防ぐことができる」と厚労省の担当者は期待する。
一方、民間では昨秋、労働問題に詳しい専門家らが連携して「ブラック企業対策プロジェクト」(東京都)を発足させた。ブラック企業に関する情報発信や若者へのサポートを行うのが目的で、ブラック企業の相談を受けてきた労働組合やNPO団体、弁護士らがメンバーに加わっている。
【安東の視点】
今日は厳しい話をしよう。セミナーを受けてくれた人はもう分かっていただけてると思うが、勉強をイヤイヤやっている人の末路がこれだ。特に目的も持たず、目標も持とうとせず、ただ不満を抱きながらも思考を停止して勉強に取り組むような頑張り方をしていても、結局はこういうことになると思ってほしい。
厄介なのはこういった報道である。いかにもブラック企業が悪いかのように伝えて、若者を被害者として救済しようとする。日本は優しい国だ。だが、結局これも愚民政策の一環に過ぎない。なぜなら、弱者を救い続けたら弱者は弱者のままでいられてしまうからだ。だから彼らも努力を怠る。何度も言うが、悪いのは企業ではなくブラック企業にしか雇ってもらえないような生き方をしてきた若者の方なのだ。頑張って何かを残してきた人間はこんなところにはいない。
生活保護も今後なくなるだろう。財源が限界を迎えることも要因の一つだが、なにより働かざる者に働く者が施しをするシステム自体ナンセンスだからだ。
「何とかなる」それは努力する者のセリフであり、頑張りもしない者にチャンスを与えるほど社会も企業も甘くない。どんな生き方をしたいかを選択するための力は今磨くしかないのだ。
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