2014年1月3日金曜日

【Today's NEWS】今年の国際展望


『1つだけ確かなことがある。それは、誰もが思いもかけないような変化がそこに待っているということだ。未来がどうなるか知っている人は誰もいない。しかし、何がどうなろうと、私たちに与えられた2つの選択肢は変わらない。 1つはひたすら安全のみを求める道。もう一つは将来に備えて教育を受け、自分や自分の子どもの中に眠っている「お金に関する才能」を目覚めさせる道だ。 』
シャロン・レクター

経済の再生や少数民族対策、分裂する社会観への対応…。米国、中国、ロシアなど各国の指導者にとって今年は、外交より国内の課題への注力が求められる1年となりそうだ。大統領選を控えるアフガニスタンでは米軍などの戦闘部隊撤退が年末に予定され、大きな節目を迎える。中東ではイラン核問題をめぐる展開とシリア内戦の行方が地域の政情に大きく作用しそうだ。
 

オバマ政権は昨年、内政問題にあえぎ、政治は停滞した。政権への審判が、11月の中間選挙で下される。シリアの化学兵器廃棄、イランの核開発阻止へ向けた合意は、国際政治における米国の「一極支配」がもはや影を潜め、「多極化」を強めていることの象徴であった。オバマ政権の外交政策、とりわけ中東政策に対しては「戦略、ドクトリンなき外交」という批判的な見方も根強くある。


債務危機で深刻な景気後退に陥った欧州も、昨年はユーロ圏が2四半期連続のプラス成長を記録するなど明るい兆しをみせた。欧州連合(EU)は昨年、危機再発防止策の「銀行同盟」創設に道筋をつけ、今年は実行段階に入る。一段の政治・経済統合に踏み出すかが注目されるが、5月の欧州議会選挙では反EU勢力の台頭が懸念され、各国の内向き傾向が強まる恐れもある。


中国の習近平国家主席は不安定要素を抱えたまま2014年を迎えた。共産党機関紙、人民日報は現状について、「国内的には改革の難題克服のカギとなる時期に直面し、国際的には多様で複雑な局面に直面している」と指摘している。習氏は就任以来、官僚腐敗、貧富の格差に憤る国民に改善をアピールしてきた。しかし近年、多くの陳情者が北京に集結し、空港で手製爆弾を爆発させる事件も起きた。新疆ウイグル自治区での衝突も頻発しており、批判をかわし切れていないのが実情だ。言論の統制や少数民族に対する規制をさらに強めれば、国民の不満が増幅する危険がある。その場合、習政権はガス抜きとして、対日強硬姿勢をさらに強めてくる恐れがある。


核兵器開発疑惑をめぐるイランと米欧など6カ国の協議は今年が正念場だ。昨年11月に合意した6カ月の「第1段階」措置にはイランのウラン濃縮活動制限などが盛り込まれたが、実質的には核開発レベルの「現状維持」を図ったものだ。核兵器開発用の爆薬実験が行われた疑いがあるパルチン軍事施設への査察受け入れなど、交渉は難航が避けられず、包括的な合意に結びつくかは不透明だ。


内戦下のシリアではアサド政権、反体制派とも軍事的な決定打を欠くほか、政治解決の機運も見えておらず、激しい戦闘が続く公算が大きい。難民問題の深刻化は必至で欧州などへの不法移民増加も予想される。クーデターでモルシー政権が倒れたエジプトでは、今年前半にも大統領選が行われる。同国では政変後、治安機関の権限が強大化しており、権威主義体制への回帰が進む恐れもある。


アジアでは、アフガニスタンが節目の年を迎える。4月にカルザイ大統領の後任を選ぶ選挙が行われ、国際治安支援部隊(ISAF)が年末までにアフガンから撤退する。インドネシアでも7月に大統領選が行われ、インドとバングラデシュでは総選挙が予定される。反政府運動で混乱するタイでは、政府側が2月2日の総選挙実施を目指し、準備を進めている。


民主化が進むミャンマーは、初めて東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務める。また、昨年末に側近の処刑を断行した北朝鮮の金正恩体制の動向も注目される。


ロシアでは2月7日、南部ソチで同国初の冬季五輪が開幕する。ソチに隣接する地方でイスラム過激派のテロが頻発、人権問題をめぐって欧米諸国の風当たりも強まる中、プーチン政権が威信をかけた五輪を円滑に運営できるかが焦点だ。




【安東の視点】

 日本でも2月には都知事選があり、安部政権も他国との複雑な社会情勢に立ち向かっていくことになる。あまり世界に目を向ける機会はないが、確実に世界は動いており、その影響を間違いなく日本は受けることになる。国際感覚とは大げさだが、しっかり国外にも意識を持っておこう。
 
 日本という国は小さな島国だ。その一国内で物事が完結することは、まずない。世界は今国境を超えた繋がりをもって生きている。視点を狭く持てば、目の前に突然起こるように視えることに翻弄される。しかし、繋がりを意識して広く視野を持てれば、これからどんなことが起きそうかを感ずくこともあるかも知れない。
 
 グローバル・スタンダードが求められるこれからの社会で、是非今から少しずつでも国際感覚を養っていってほしい。
 
 

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