2013年10月15日火曜日

今後10年先を見る我が国の成長戦略


『これまでの“常識”にしばられている間は、どうあがいても「その気」にはなれないのです。』
 西田文郎


このまま子どもたちの学力低下、
意欲低下が進んでしまえば、
日本は10年後には終わってしまうでしょう。
それに歯止めできる方法があるとすれば、
今の勉強事情の改革しかありません。


アメリカがデフォルト危機に陥っていますね。
アメリカの場合は仕組み的に目に見えた兆候があり、
それらに応じて対応もできるのでしょうが、
日本の場合は“カエルの釜ゆで”状態です。


カエルを釜ゆですると、
水温が徐々に温まっていくので
カエルはお湯になっていくのに気付かず
いつのまにか熱湯になってゆでられて死んでしまいます。


変化に気付かぬほど状況はゆっくり変わっていくが、
気付いた時にはすでに遅し、
ということです。


少子化によって潜在成長率の低下が危ぶまれる日本ですが、
個々の戦力を総じて引き上げるか、
将来戦力になる数を増やすかの
いずれかの成長戦略を執るしかないと思われます。


総務省統計局の発表している
「人口推計(平成23年10月1日現在推計人口)」によると、
5~19歳の人口合計は約1732万人です。
5~19歳の各年齢層が同数ずついると仮定して
就学層(6~18歳)の人口を類推すると
約1500万人になります。
※「人口推計(平成23年10月1日現在推計人口)」
  (総務省統計局)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf


仮に1500万人いた就学層の2割が
その後の日本の戦力になると仮定しましょう。
それが少子化で1000万人に減ったとします。
しかし戦力がその4割になったと考えると、
------------------------------------------
1500万人×0.2=300万人
1000万人×0.4=400万人
------------------------------------------
実は100万人も戦力が増加することになります。


少し話題がそれますが、
パレートの法則というものがあります。
一部の要素が結果の大部分を握っている、
というものです。
本来は別物ですが、
経済、殊マーケティング分野では
「80:20の法則」と同じような意味で使われています。


たとえば、ある会社があって従業員が100人いたら、
そのうちの20人(2割)の従業員の頑張りが
その会社の利益の8割を担っているという意味になります。


ちなみに、さきほど戦力を「2割」に想定したのも
このパレートの法則をベースにしているからです。


さて、このパレートの法則を適用すると、
全体の2割の人が全体の利益の8割を生み出す
と考えられますから、
平均値や総じての引き上げを想定するのは
現実的ではないようにも思えます。


とすると、
やはり戦力を倍にするという考え方の方が
現実的なアプローチということになるでしょう。


現在水面下で進められる
大学入試センター試験の廃止や、
それに伴う入試制度の変革が、
混乱以上の何かをもたらしてくれるとありがたいのですが、
おそらくは「ゆとり教育」以上のダメージが
国を襲うことになるでしょう。
今から子どもたちに対応力を付けさせてあげることが
急務であり最善の策かと思われます。


と、 ここで最も衝撃的かつ、
至極当たり前の話をしましょう。


誰もが分かっているのにやってしまう、
勉強的には非常にあるあるな話題です。
それは「学校教育」プラス「塾通学」が
最も非効率な勉強のやり方であるという事実です。


ただでさえ効率の悪い学校の一斉授業形式に加え、
曜日も時間も場所も束縛される収容所(塾)に
子どもたちを送り込むことで、
子どもたちは自分の頭で考える力をなくし、
意欲を削がれ、現実逃避に追いやられていくという話です。


今の日本の教育事情としては、
自分で勉強する力のない子は
塾に通うのが通例です。


しかし、以前お話しした通り、
塾は子どもたちの事情よりも
自社の事情を優先して考えています。
勉強効率よりも満足感を与える方が
サービス業としての至上命題なのです。


それ以前に、
学習塾には勉強のプロは基本いないと考えた方が無難です。


「え?塾に勉強のプロがいない?」
と思われるかも知れませんが、
もっと踏み込んで考えると当然だと分かります。


そもそも学生時代に勉強が得意だった人は
金融、法務、医歯薬など高給取りになれる進路に
行っているはずだからです。


私みたいに勉強そのものに興味を持って
独自に研究してしまうような変な(!?)人は
結構レアな方だと思います。


教育学部はどうかと言えば、
残念なことに
教育学部は受験的にも高いハードルではありません。
ハッキリ言って誰でも行ける学部です。
それに公教育に携わる役目ですから、
勉強にフォーカスした職種でもないですし、
そもそも教育と勉強は全く違う分野です。


じゃあ衛星授業の講師たちはどうかとなると、
彼らは教科のプロであって勉強のプロではありません。
それに専門分野の質問には答えることはできますが、
「どうしたら勉強ができるようになりますか?」
なんていう質問に応えられる人は少ないでしょう。
内容は各自の経験談くらいなものです。

おそらく勉強のプロというのは
全国探しても数人くらいではないでしょうか。


これは「私は凄い人なんだぞ!」という自慢話ではなくて、
現実的な目線で今後の対策を考えるための
現状分析なのです。
キミたちに判断材料がないので、
判断材料を集める際のヒントとして
必要な情報を提供しているに過ぎません。


正直私にはキミたちを成績優秀者にする方法は見えていますが、
私だけがそういう力を持っているわけではないということです。


ただ、同時に、
そういう人は少ないのだから
そういった現実を踏まえた上で、
適当な人に騙されないように
情報は取捨選択してくださいね、
ということなのです。


今後の日本にとって、
キミたちの成長は大きな課題です。
是非本来の可能性を取り戻して
輝かしい未来のために
適切な努力をしていただきたいと思います。


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