2015年5月28日木曜日

自分に合った学び方を選択できるような教育環境が、求められています

先日5/26に行われたTED×Kids@Chiyoda。
そこでの松谷知直くんのスピーチが
話題になっています。
http://spotlight-media.jp/article/152241398098350293


そこでは、自分の発達障害が原因で
学校での学びの“決まり”についていけず
挫折しそうになったという話がされていました。


学校側が一切の理解を示してくれなかったため、
彼は自分に合った学習法がないかと
別の可能性を模索し始めます。
その結果出会ったのがiPadでした。


しかし、iPadを持ちこむことにすら
学校側は当初許可をくれなかったそうです。


まぁ、こう言ってしまうと
学校側が悪者になってしまいそうですが、
国の教育機関が
学ぼうとする者にこのような対応をし、
その意欲を削ぐのであれば、
それは本末転倒なわけで、
ちょっと対応が悪いなと感じます。


そういえば以前勤務していた塾では
ネットで調べることすら禁止でした。
こんな時代遅れな塾があるのかと
バカらしくなりましたが、
それと同じくらいに
融通の利かないのが学校です。


当アカデミーに通ってくれている生徒さんの
学習指導のために
1週間の時間の使い方をヒアリングしたところ、
学校からの宿題が多すぎて
プラスαが入れにくい(汗)
という状況が分かったケースがあります。


さらに突っ込んで聞いてみると
学校での成績分布が見事に
ふたこぶラクダになっているそうです。


これは要するに
学校のやり方について行ける子は
成績上位層に偏り、
学校のやり方が合わない子は
成績不振層に偏るという構図です。


もしこれが塾ならば、
やり方が合いませんからと辞めれば良いのですが、
学校でこれをされると悲惨です。


1日の半分以上を学校に投資するのですから、
学校が自分に合わないというのは
致命的です。


ただ、今回の子のように
イレギュラー対応が必要なケースに
今の学校が対応できるような仕組みが
まだ確立されていません。


マニュアルを外れた対応が
どこまで自分の裁量内でできるのか、
学校側はその生徒のどこまでを
許容範囲にするのか等、
どこかで線引きをせねばならないはずなのですが、
それがまだ教育現場で
整備されていないのです。


つまり、学校にはその学校のやり方がある。
塾にはその塾特有のやり方がある。
そのやり方に合う子は伸びて
合わない子は伸びない。
そういうことになっているのです。


そこにおいて今回の松谷くんの主張は
ある種の問題提起になったのかなと感じます。


勿論、発達障害のある子が散在するよりも、
そういった子が通う別の枠のスタイル
(例えばフリースクールのような)
があると、
その学校だけは特殊なルールで
生徒に応対しても良いとして
問題が解消しやすくなると思います。


別のニュースでは
この不登校の子たちが通うフリースクールも
義務教育化しようという動きもあるようですし、
特別学校(ネーミングはイヤですが)の
義務教育化が認可されれば、
教育現場の多様性が生まれて
今の概念が覆るのではないかと
勝手に思っています。


個人的には携帯のように
ガラパゴス化してしまう気もして
ちょっと心配な点もあるので、
ここは”学校”というコンセプトそのものが
完全にパラダイムシフトをして、
現行マニュアルの撤廃の下、
全ての教育機関が
柔軟に生徒対応できるような
抜本的な制度改革が
必要なのではないかと思います。


ここでの最大の問題を挙げれば、
一にも二にも人材育成ですが。。。


この松谷くんのような
発達障害を持つ子に限らず、
普通は皆それぞれが
自分なりの勉強法を持っているはずで、
学校や塾のような画一的な環境では
効率的な勉強はできないものです。


どこかで何かを合わせながら、
その不自由な制度の中で
精いっぱいの努力をする、
みたいな。


でも、瞬発力がある子もいれば、
コツコツ努力するのが向いている子もいるし、
性格も価値観もバラバラなんだから、
皆それぞれが
自由に勉強できる方が
絶対効率ですし、
楽なはずなんです。


でも多くの子どもたちが
自らを不自由な鎖で縛りつけて、
先生の指示に従うだけになっている。


だから逆に自分で考えようとする子が
横並び教育から外れて異端児扱いされるのです。


これではいけません。
今の日本はどこの国よりも、
自分に合った学び方が選択できる教育環境が
求められているのです。


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